日本の心の自由の旅　神棚と仏壇のある風景

伊勢神宮　内宮。

日本の神道の最高神を祀る、神道信仰の中心地です。

この別格の神社にも江戸時代まで

神宮寺と呼ばれる宮寺があったとされています。

若い頃ある人は

「なぜ、日本の家には別々の宗教の祭壇があるの?」

と留学生に聞かれ答えられず

「たしかにおかしい・・」と思われたそうです。

家に神棚と仏壇があるのは

神と仏は同じものとして

同じ宗教観の中で存在していたからです。

古い神社仏閣を訪ねると

神社にお寺があり

寺に神社があります

1000年に渡る光景が続いているからです。

学校で習った

崇仏論争のなどで知られるように

日本には神がいて、仏教が輸入されました。

日本の神道(神道は江戸期に成立)というより

原初の日本の神は

素朴な宗教観で一族や村などを守るものや

自然を大事にするものでした。

そこに宗教として、世界的に完成された仏教が入り

悪く言えば原初の日本の神を取り込んでいきました。

その背景としては

日本の神々は有力者と結びついて

味方にすると応援が得られること。

八百万の神をあがめているので

理論上受け入れの間口が広く

仏も八百万の神として受け入れやすい

感覚があったこと。

仏教は世界宗教として

様々な土地での共存を成立させてきました。

託宣(神のお告げ)として

日本の神々も迷える存在として

仏の救済を求めるという形をとり

神も仏教の文化を吸収していきました。

また、仏教は税金の外にあり

神社が免税資格を得るためでした。

そして、かって、有力者の古墳があった風景も墓となり

岩をしめ縄で祀るだけのものがお宮へと発展していきました。

同じ宗教観にありながら

お互いを尊重し、取り込んでいったのです。

例えば、大きな神社の脇にある廊下のような空間があります。

僧侶が読経をあげるためのもので

僧服ではお宮に入らず

お宮の中へは

神式の様相をととのえなおし

入っていたとも伝わっています。

お互いを尊重しあい

利用しながら

補いあうことで日本独自の

宗教観が完成されていきました。

神が法(仏教)を守り

仏が神を救済する形になったのです。

キリスト教などの観念とは

違う宗教観ですので

単に見境なく信仰しているわけではないのです。

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