apricotbrain’s blog

スピリチュアルヒーラーの日常

スーパーで見つけた170年の味

思皇享多祐、無央。
(皇を思い多く享(すすめ)れば、を祐(たす)け、楽く央(つきる)無し。)
との思いで作られた元号嘉永です。
 
嘉永という時代は多難な時代で
東海・東南海の巨大地震があったり、黒船が来たり、内裏が炎上したりで
すぐに年号を変え、巨大地震の名前は安政東海・東南海地震と名付けられています。
時代の変わる節目ではあったようです。
 
そんな時代に創業した弁当屋さんがあります。
日本橋 弁松です。

弁松の特徴は
いまでは見ることの少なくなった
経木とう言う薄い木で作られた弁当箱。

そして、味の濃さです。
健康志向の薄味に慣れてきている人が多いいまでは
「間違って味付けされているんじゃない」と言われることもあるとか
それでも、江戸の味を続けているこだわりです。
 
卵焼きと、魚、そして野菜の煮物
じっさいに食べてみると「甘み」を感じます。
甘さを支える、しょうゆに
それぞれの素材の旨味がかさなるような甘みです。
箸休めに食べる
しょうがの漬物の辛さが生きています。
若い時では楽しめなかった味です。

むかし、定年間近の会社の上司の言葉を思い出しました。
「昔は年行ったらつまんないだろうなと思っていたけど
いま、楽しいよ。30歳には30歳の楽しみが、
60歳には60歳の楽しみがあるよ。」
この味もそんなひとつのようです。
 
自粛の時に
近くのスーパーの弁当でみつけた
楽しみです